新着情報

第2回SNU教育研究会を実施しました。

2023.09.15

 9月14日に第2回SNU教育研究会を実施しました。この会は,本校の教育研修の一環として昨年度から取り組んでいる公開型の研究会です。今年度の研修テーマを「生徒も教師も協働する“学びの共同体”」とし,これまでに夏期研修として「授業デザイン」に関する集合型研修,9月からは研究授業週間を行って参りました。今回は,その1つの集大成として「公開授業」「研究協議」,そして「教育講演会」を行いました。

 公開授業では,夏期研修で作成した授業デザインを基本としながらさまざまに工夫された授業が全校一斉に展開され,教員間で相互に授業を参観し合いました。「学びの共同体」を意識した4人1組でのグループワークを行う授業,資料や実験・観察を起点に問いを見出しグループ内で対話しながら学びを深める授業,大学入試問題をグループで協力しながら解く授業,ゲームや遊びの要素(ゲーミフィケーション/プレイフルラーニング)を取り入れた挑戦的な授業など多様なアイディアが見られ,参観した教員や来校者からは「このアイディアは持ち帰って自分の授業に生かしたい」という声も多数聴かれました。

 午後の研究協議では,「教師の指導」ではなく「生徒の変容」に焦点を当て,実際に行われた授業の動画をいくつか視聴して協議を行いました。このような形での研究協議は新鮮で,授業を観察する際の新たな視点を得ることができましたが,やはり実際の授業の様子を目の当たりにしたわけではないため限界もありました。来年度については,また新たな方法での研究協議を工夫していきたいと考えております。

 午後の後半には,東京大学名誉教授・北京師範大学客員教授の佐藤学先生に講演をお願いしました。佐藤先生には午前中の公開授業もご覧になっていただいており,まずはそこから見出された本校の現状と課題に関するいくつかの提案をいただきました。そこでご指摘いただいたことは,次の点です。

≪現状と課題≫

●探究中心の授業改革,IBカリキュラムの取組が一定の成果をあげている。ただし,このままでは限界もある。

●生徒の学びが受動的(学びの偽装)である。原因は授業スタイルが50年前のスタイルであり,授業における「教師主体の指導」と「生徒主体の学び」のバランスが悪い(およそ「教師10:生徒2」程度)。

≪提案≫

●現状「教師10:生徒2」になっている授業を,「教師3:生徒12」に転換する。

●現在の大学入試状況(共通テスト・二次試験含む)に合致する授業・学びのスタイルに転換する。

●習熟度別指導を廃止する(全国的には縮小傾向で,中学ではほぼ全廃されている)。

●以上を含め.来年4月から「21世紀型の授業と学び」へ全校一斉に改革を開始する。

 これらのご指摘には,勤務する立場としては耳の痛い話もありましたが,講演の中では上記の指摘の根拠となる資料やデータを多数お示しいただき,なぜ改革が必要なのか,そのために何をすべきなのかが明確になりました。実際に行動を開始していくには,各教科や部署でさまざまな検討が必要になりますので,来年までの半年間で,教員一丸となって準備を進めていこうと決意を新たにすることができました。

 また,当日は全道各地から20名を超える教育関係者の方にご訪問いただき,多くのご意見,ご指導を賜りました。お忙しいところお運びいただき,誠にありがとうございました。教育を担う者どうし,今後とも交流・共創していけたら幸甚に存じます。引き続きよろしくお願い申し上げます。