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理事長・校長挨拶

理事長・校長を務めております浅利剛之(あさりたけし)です。

毎年内容を変えている理事長・校長挨拶ですが、今回はよく尋ねられることを質問形式にして、本学園の方針としてまとめました。

私学を目指す生徒を取り巻く現在の状況や環境の変化など、この時代について

 日本は戦後の高度成長期、バブル期の絶頂期を経て、バブル崩壊、東日本大震災と長らく低迷期を迎えていました。その中で日本はグローバルビジネスに活路を見出し、なんとか存在感を保っていましたが、今回の新型コロナウィルスにより今まで積み重ねてきたものが大きく崩れました。日本の仕組みは、どれも平和な時代ではうまく機能しますが有事では機能しないことが露呈されました。意思決定の欠如や右に倣えの習慣、何かにすがらないと動けない依存性、本音と建て前、過度な効率性の重視など今まで問題視されなかったことが大きく浮き彫りになりました。ポストコロナでは、日本はこの浮き彫りになった問題点を克服しつつ、グローバル社会で存在感を示していかなくてはならないでしょう。

札幌日本大学高等学校のモットーやポリシーについて

 本校の教育は、人材育成像を「世界に貢献する人」、教育方針を「本物の正しい教育」と掲げて実践しております。世界中が現在コロナ禍で苦しんでいますが、日本は資源の少ない小さな島国ですから、日本人の特性を生かしつつやはり世界に活躍の舞台を拡げていくしか方法がありません。地球全体を俯瞰した上で、日本、地域を考えるバランス感覚はこれから生きる者にとってとても大事になります。そしてその環境の中で世界、人類に貢献する意識をもった優れた人間性と、困難を克服して進めていくことのできる精神力・実力を兼ね備えた人材を育成し北海道、日本、世界の発展に寄与していくことを目標にしています。また、その人材育成のための本校の教育方針は、子供たちの成長に必要か、どういう教育が子供たちにとって有益か、一つ一つに真剣に向き合う「本物の正しい教育」を突き詰め実践していくことが大事だと考えています。

本校の強み、特徴的な授業、先進的な発想などについて

 日本人は長らく勤勉で真面目な一方、創造力、独創性に欠けていると言われてきました。そして今回のコロナ禍でもそれが浮き彫りになりました。本校は、SSH(スーパーサイエンスハイスクール)、SGH(スーパーグローバルハイスクール)ネットワーク校に指定されており、これらが本校の探究型学習(PBL)の中核を担っています。今年からは探究学習の外部アドバイザーも入れております。また総務省により異能vationネットワークに指定されており、一芸に秀でた人材の発掘、育成にも力をいれております。他にもICT教育、Blended learning、外部企業と連携したプログラミング教育、そして来年から始まる国際バカロレア(IB)など多彩な教育を展開しています。また国際交流も盛んで留学生も多く多様性を尊重する風土になっており、もちろん部活動も大事な活動だと位置づけています。一人一人の持ち味を生かせるよう、そして一人一人のこだわり、尖がりを伸ばせるよう、この多彩な教育で創造力、独創性がありかつ日本人の強みである協調性も併せ持つ人材を育成していきたいと考えています。

本校に入学する生徒たちの特長や個性をどう感じているか

 まじめでかつ明るく、ユーモアのセンスのある生徒が多いです。高校時代は、出会う人、事柄、経験などすごい勢いで吸収していく時代です。これらの生徒一人一人の個性をみつけ、光らせる、磨くのが学校の役割であると考え教育活動をしております。

生徒たちの意識のもち方や必要なスキル

 学校の勉強は大事です。そして将来の大学受験も大事ですが、大学受験だけを目指す学習、点数を取るためだけの学習は推奨しません。自分の好きなことを探究する、深く考える本当の意味での学習、スケールの大きな学習が大事です。これができる人は点数も間違いなく取れるでしょう。逆に受験勉強だけに固執しすぎると点数はとれなくなると思います。学校の勉強をして知識を深めて、そして自分で様々なことを深く掘り下げ考え、行動する。こういうことがこれからの日本の社会では求められるでしょう。

今後、学びの価値観や世界の環境はどのように変化・進化

 日本の学校教育は、こうしなければならないといった伝統、形に長らく縛られてきました。これらによって日本人特有の協調性や規律が培われてきたのですが、グローバルな世界で渡り合っていくには、この既成概念を取り払っていかなければなりません。学習でいえば、科目の垣根を取り除き、教え込むのではなく、自分で考え、見つけ出す学習が必要です。仲間と議論したり、上手に表現することも必要でしょう。また学習場所も学校だけではなく、世界のありとあらゆる場所、そして自宅さえもオンラインで様々な学習ができるようになるでしょう。さらに勉強は教師だけが教えるものではなく、色々な人に触れ、話し合うことが大きなきっかけになるでしょう。もう勉強は学校の中だけで完結する時代ではありません。学校教育を常に流動的な環境におき、そこで生徒が何に出会い、何を学んでいくか、この定型をつくらない環境、前例にとらわれない環境がこれから必要な学びの環境だと考えます。

本校を志望する中学生や保護者の方にメッセージ

 おそらく多くの受験生は、いい大学やなりたい職業を目指して入学してくることと思います。それは大事な観点ですが、そのためだけに三年間を過ごすより、様々な経験や事柄、人物に出会い、深く物事を考え、自分の好きなことを見つけ夢中になる、そしてその延長戦上に受験があり、自分の志望する大学に入学していくという過ごし方の方が魅力的だと思いませんか。時代もこういう人を求めています。ぜひ本校に入学してスケールの大きな学びをして「世界に貢献する人」になってほしいと思います。

他に伝えたいこと

 本校の方向性は「直近の価値観(進学実績等)に対応しつつ、上記の新しい学びへの変革を積極的に進めていく」ということです。これができる学校は全国的にみても数少ないと思います。進学実績のある伝統校や他に大きな成功体験のある学校はなかなか今までの価値観から変わることができません。本校は歴史がまだ浅く、価値観が固定化されていません。そういう意味では自由度が高く、未来に可能性が大きく拡がっている数少ない学校だと思います。目先の小さなことを目指すのでなく、スケールの大きな学校にして、日本、北海道を代表する学校にして、日本の教育界をけん引していきたいと考えています。

今、近未来そして20年先、先を読む力と誠実さで
教育の本質に挑戦し続ける学校へ

(学)札幌日本大学学園 理事長
札幌日本大学高等学校 校長

浅利 剛之