施設等見学・研修

サイエンスツアーⅠを実施 ~帯広方面~

 2019年8月1日(木)から3日(土)までの3日間,1年生のSSH選択生徒を対象としたサイエンスツアーⅠを実施しました。科学・農学等の分野に関係する研究施設を訪問し,最先端の研究及び生活に直結した技術を体験しました。

研修日程

8月1日(木) 帯広畜産大学,りくべつ宇宙地球科学館(銀河の森天文台)
8月2日(金) 足寄動物化石博物館,白糠にて化石発掘
8月3日(土) 帯広百年記念館,清水町美蔓バイオガスプラント

研修1日目

帯広畜産大学

 帯広畜産大学では,大学の概要説明を受けた後,農学博士の梅津一孝教授から,大量に発生する家畜の糞尿から熱や電気になるバイオガスと肥料効果が高い液肥を作り出す工程と仕組みについて学びました。講義を受けた後は研究室や実験室を見学し,作業の手順や実験方法に加えて,自分たちが実験を行う上で注意を払う点についてアドバイスをして頂きました。

りくべつ宇宙地球科学館(銀河の森天文台)

 りくべつ宇宙地球科学館では,陸別町産業振興課銀河の森振興主任主査で理学博士の村田拓也先生から『太陽活動と宇宙船』という題の講義を受け,太陽活動と宇宙線変動の関係性とオーロラについて学び,その後,霧箱の実験で宇宙線の飛跡を見ることができました。展望台では,木星と土星の環を見ることができ,感動の声が挙がっていました。

研修2日目

足寄動物化石博物館

 足寄動物化石博物館では,施設や博物館で説明を受けた後,学芸員である新村龍也先生から『骨から姿を呼び起こす!』という題で講義を受け,たった1つの部分的な化石から,これまでの知識と経験をもとに,動物や恐竜の姿を復元させる工程について学びました。午後は,白糠方面に移動し,実際に化石発掘を体験しました。貝の化石が次々と発掘され,至る所で喜びの声が挙がっていました。

研修3日目

帯広百年記念館

 帯広百年記念館では,学芸員で主査である池田亨嘉先生から,池や木々,生態系についての説明を受けながらフィールドワークを行い,その後は,博物館常設展示室で北海道の自然や動物について説明をして頂きました。普段の生活では,草木が覆い茂っている場所を「自然」と表現していますが,すでに人間の手が入り,本来生育すべき環境で動植物が生活することができていないという言葉が大変衝撃的でした。

清水町美蔓バイオガスプラント

 清水町美蔓バイオガスプラントでは,帯広畜産大学で学んだ糞尿からエネルギーを得る実際の工場を見学することができました。工場では,株式会社エネコープ事業本部新エネルギー部マネジャーの須藤貴宣先生が工程や仕組みを詳しく説明して下さり,工場内部も見学させて頂くことができました。

サイエンスツアーⅠを実施 ~函館方面~

 2019年8月1日(木)から3日(土)までの3日間,1年SSH生徒を対象としたサイエンスツアーⅠを実施しました。科学・水産等の分野に関係する研究施設を訪問し,最先端の研究及び生活に直結した技術を体験しました。

研修日程

8月1日(木) TOYOTA苫小牧工場,東京理科大学(長万部キャンパス)
8月2日(金) 北海道大学水産学部,函館国際海洋・水産研究機構
8月3日(土) 北海道大学七飯淡水魚養殖実験施設

研修1日目

TOYOTA苫小牧工場

 函館コース選択者は,最初の訪問地であるTOYOTA苫小牧工場に向かいました。ここでは,大規模な工場を稼働させるためにどのような工夫や技術が見られるかを見学してきました。およそ100万平方メートルの敷地内にある第4工場を中心に,4種類のエンジンを制作している様子を見学することができました。工場内では,機械が担当する部分と人間が担当する部分が明確に分かれており,効果的なライン生産システムが科学的な視点から形成されていました。工場見学終了後は,TOYOTAが取り組むモータースポーツやヒト型ロボットの開発についても説明を受けました。車の生産だけではなく,様々な分野へTOYOTAが持つ技術がつかわれていることを知ることができました。

東京理科大学(長万部キャンパス)

 午後からは東京理科大学基礎工学部の長万部キャンパスを訪問しました。ここは全寮制で,基礎工学部の1年生が生活するキャンパスであり,基礎科目を学ぶほか,今後の大学生活の基盤を構築する場所となっていました。広大な土地に配置されたキャンパス内を見学した後,長万部キャンパスの教養部長である竹内教授から燃料電池と触媒に関する講義を受けました。このほか,長万部ならではのホタテの貝殻を利用した研究や毛ガニの養殖に関わる研究の説明を受けました。特に,ホタテの貝殻を利用した研究は廃棄されるものを利用した研究テーマであり,生徒たちは興味深く研究内容の説明を聞いていました。

研修2日目

北海道大学水産学部

 北海道大学水産学部では,水産学部設置の歴史を学んだあと,生徒たちは2グループに分かれ,水産資源養殖の現状や動物行動学などの研究内容について講義を受けるほか,研究室見学や養殖施設見学を体験しました。水産学部では,ウナギの養殖やチョウザメの養殖の他,遺伝学的な研究材料としてゼブラフィッシュの飼育も手掛けていることがわかりました。

函館国際海洋・水産研究機構

 北海道大学水産学部の後は,函館市入舟町にある函館国際海洋・水産研究機構を訪問しました。ここでは,様々な分野の海洋研究者たちが利用できる施設となっており,水産教育にも力を入れています。生徒たちは,研究員の高原先生から函館市の魚であるイカに関する講義を受けた後,実際のイカを使って体の構造などを調べました。その後,酒井先生からナマコを通じた水産資源管理についての講義を受けました。水産資源の管理は,中学や高校で勉強した食物網や食物連鎖に関連があり,その生物単体だけの問題ではないことを学ぶことができました。

研修3日目

北海道大学七飯淡水魚養殖実験施設

 最終日となるこの日,生徒たちは七飯町にある北大水産学部の施設へと向かいました。ここでは,施設長の山羽先生が北大が持つ各実習施設の概要をお話ししてくれました。その後,この施設で養殖・研究している魚種の話になり,遺伝子関連の研究などにも話が及びました。講義の後は施設見学をして,チョウザメをはじめとしてこの施設で飼育されている多くの魚類を観察することができました。

エネコープバイオガスセンター

 昼食後,生徒たちは最後の訪問施設となるエネコープバイオガスセンターに向かいました。ここでは,家畜から出たし尿やコープから出た食品残渣などを微生物などの力を使って分解してエネルギーを生成しているプラントでした。微生物の力でメタンガスを生成したり,メタンガスを利用して発電を行ったりすることで,廃棄物を極限まで無駄にしないための工夫を知ることができました。また,プラントでの反応の副産物として,田畑などで利用できる液肥なども作られており,このようなリサイクルシステムが効果的に活用されることで,自然界に対しても負荷のかからない状態が作られることを学びました。

 今回の2泊3日のサイエンスツアーを通して,生徒たちは後期から始まる各自の課題研究のテーマ設定に関して,大きなヒントを得ることができました。

サイエンスツアーⅡを実施

 2019年8月1日(木)~2日(金)、2年SSH生徒が関東地方の大学・研究施設を訪問しました。1年後期から始めた課題研究の内容をより深めるため、大学の先生とディスカッションし、研究を進めることを目的としています。

研修日程

・8月1日(水)JAXA相模原キャンパス研修
・8月2日(木)各研究グループが大学・研究室を訪問
        ・日本大学 文理学部
        ・日本大学 理工学部
        ・日本大学 生物資源学部
        ・東京工業大学

研修1日目

 JAXA相模原キャンパスを訪問しました。一般客が入ることができない月面探査シミュレーション施設や、はやぶさ2のオペレーションルームを見学することができ、知的好奇心の喚起や探究心を養う事が出来ました。その後、日本のロケットの歴史や、はやぶさ1号機の実績についての説明を受け、創造性・独創性及び科学的リテラシーを身につける研修となりました。

研修2日目

 各研究グループが大学・研究室に訪問し、自分たちの研究内容をプレゼンテーションし、研究内容をどのように深め、進めていくかディスカッションしました。研究内容の基本的なことから、大学レベルの学習内容まで様々な視点から議論ができました。訪問を終えた生徒たちは、「詰めが甘い!」「しっかり指導してもらった」「これからの研究が楽しみ!!」と充実した様子でした。

令和元年度スーパーサイエンスハイスクール生徒研究発表会 に参加

 2019年8月7日(水)-8日、神戸国際展示場(兵庫県神戸市)において、令和元年度スーパーサイエンスハイスクール(SSH)生徒研究発表会が開催されました。今年度の大会には、国内SSH 218校、海外校23校が参加しました。本校を代表してSSH選択者3年生2名、2年生1名が、この1年間に取り組んだ課題研究成果について発表しました。また、SSH選択者2年生1名、1年生1名が、私たちとともに本大会に参加しました。私たちはこの7年間、高価な装置を使わずにネオジム磁石の活用によって、いつでもどこでも誰でもできる物理量の測定法の開発を進めてきました。今年度は、海外から数多くの高校生が本校のブースを訪れ、私たちが目指す取組に共感して頂きました。私たちも海外校のブースを訪れ、研究内容・方向についての理解をお互いに深めることができました。その結果、シンガポールの高校と課題研究による交流を進めていくことになりました。3年前からシンガポールでの国際学会に毎年参加し、ネオジム磁石を活用した研究を中心に辛抱強く発表してきましたが、諦めずに続けてきた努力がやっと報われたように思います。

 私たちは、学外研究発表会への参加など、今後も科学部を中心にSSH活動を真摯に進めていきます。私たちが目指している明確な方向を具体的に示し、それをともに共有できる学外機関と信頼できる協力関係が末永く構築できるように、これからも初心を忘れることなく日々努力を積み重ねていきます。

幌延深地層研究センターを見学

2019年8月27日(火)、北海道幌延町にある幌延深地層研究センターを科学部1年生2名、2年生2名が見学しました。このセンターでは、原子力発電の使用済燃料を再処理した際に発生する高レベル放射性廃棄物を安全に処分するための地層処分技術に関する研究開発のうち、深地層の科学的研究や地層処分研究開発等が行われています。ここで得られた研究成果は、最終処分事業の基盤情報として活用されます。
 私たちは、今年度から日本原子力文化財団から支援を受け、原子力・エネルギーの課題研究「放射性廃棄物の最終処分」に取り組んでいます。その研究を具体的に進めるため、今回、研究センターの地下350mで行われている調査研究の様子を実際に見学させて頂きました。坑道周辺の地質や地下水の性質、地震の影響、地層処分システムの設計・建設に関する技術、今後の計画、諸外国の動向などについて詳しい説明を受け、放射性廃棄物の処分に関して多くの知識を得るとともに、その研究開発の重要性に対する認識をさらに深めることができました。
 研究開発現場の見学は、今後の課題研究を具体的に進める上で参考になる点が多々ありました。安全な地層処分法の確立は諸外国も含め非常に重要な課題であり、私たちもこの課題に真剣に向き合い、地層処分法の研究をさらに進めていくための努力を積み重ねていきます。

日本金属学会2019年秋期講演大会ポスター発表

 2019年9月11日(水)、岡山大学津島キャンパス50周年記念館において、高校生・高専学生ポスターセッションが開催されました。このセッションは、高校生に発表する機会を設け、金属および材料学分野に対して興味や理解を深めてもらうため昨年度から設定されました。
 本校からSSH・科学部を代表して2年生1名が参加し、「外部電源なしでネオジム磁石を用い金属パイプ抵抗率を測定する方法」について専門の先生方や大学生など参加者の前で発表し、質疑応答を行いました。電気エネルギーを使わずに簡単かつ正確に金属パイプの抵抗率を、ネオジム磁石の落下速度測定により求められることを丁寧に説明した結果、優秀賞を受賞することができました。

 2019年9月11日(水)、岡山大学津島キャンパス50周年記念館において、高校生・高専学生ポスターセッションが開催されました。このセッションは、高校生に発表する機会を設け、金属および材料学分野に対して興味や理解を深めてもらうため昨年度から設定されました。
 本校からSSH・科学部を代表して2年生1名が参加し、「外部電源なしでネオジム磁石を用い金属パイプ抵抗率を測定する方法」について専門の先生方や大学生など参加者の前で発表し、質疑応答を行いました。電気エネルギーを使わずに簡単かつ正確に金属パイプの抵抗率を、ネオジム磁石の落下速度測定により求められることを丁寧に説明した結果、優秀賞を受賞することができました。

海外科学研修(韓国)後半

9月24日(火)

 IASA研修2日目です。朝6:30に起床し、身支度を整え、朝食を食べて、授業に参加します。寮は校舎に併設されているので、教室まではすぐに到着します。午前中は生物と化学の授業に参加しました。生物では英語で先行研究のまとめを発表していました。化学の授業では、IASAの生徒と滴定(Titration)の実験に取り組みました。IASAの生徒と英語でコミュニケーションをとり、共同で作業することはとても良い経験になったようです。

  午後は、韓国の地理と歴史の特別授業に参加しました。授業は韓国語で行われましたが、バディの生徒が英語で全て説明をしてくれたので、本校の生徒たちも内容をよく理解できたようです。ソウル市内の歴史的建造物や済州島の自然遺産などをGoogle Mapを用いて調べながら、韓国の地理や歴史を理解することができました。

 授業が終わり、仁川市松島地区のフィールドワークに向かいました。世界中の大学を誘致したグローバルキャンパスや、仁川市が全貌できるIFEZ Towerを訪問しました。仁川市のこの地域が、干潟を埋め立てて作られた新興特別経済地域である松島地区の都市計画や大学や企業の誘致について理解を深めました。最後にセントラルパークでボートに乗り、松島地区の高層ビル群を水面から見上げることができました。公園を作るために、海水を引いてボート用を水路を作ったことも学ぶことができました。

 フィールドワークの後は、バディとTriple Streetというショッピングモールにいきました。夕食と少しの自由時間を過ごしましたが、食事をしながらおしゃべりをしたり、スーパーに買い物に行ったりとそれぞれ思い思いの過ごし方をしたようです。
寮に戻ってからはバディと明日のお別れ会で発表するスライド作りに取り組みました。各チームがこの3日間で体験した内容をスライドにまとめ、発表練習をして2日目が終了となりました。

 講義の次に研究発表会を行いました。SDGsのテーマに従って日大とIASAそれぞれ3チームに分かれ、気候変動や水と衛生問題などについて、研究発表と質疑応答を行いました。IASAからも日大からも積極的に質問が飛び交うとても良い学術交流になりました。

9月25日(水)

 IASAとお別れの日です。講堂に集合し、バディの生徒と3日間のスライドを使って発表しました。それぞれのペアが独自の視点でこの3日間を振り返っていました。

 午後はSAMSUNG D’Lightに行きました。ここでは最新のスマートフォンや家電だけではなく近未来の「スマート家電」を体験することができました。またVRコーナーではジェットコースターを体験。本物さながらの感覚でした。

9月26日(木)

 ホテルからバスで移動しソウル国立大学へ。この大学は韓国最高峰の大学で、キャンパス内にバスが循環しているほど大きく、圧倒されました。自然科学系の先生に大学の成り立ちや研究内容など説明を受けました。その後キャンパス内を散策。大きな図書館や研究施設を見学しました。

 午後からは昌徳宮(李氏朝鮮時代の宮殿)を見学しました。この宮殿は1400年代から1900年代まで王族の離宮として利用されていました。世界各国から観光客が訪れる世界遺産であり、韓国独自の文化に触れることができました。

9月27日(金)

 早朝にホテルを出て、空港に向かいました。ガイドのソさんと別れ、出国手続きを済ませ札幌行きの便に搭乗しました。約3時間のフライトを経て新千歳空港に戻りました。全行程を通じて予定通りに進み、体調不良者もいませんでした。特にIASAの生徒たちと3日間英語を使って、理数系のプログラムで交流したことは生徒たちにとって有意義な経験となったようです。

海外科学研修(韓国)前半

9月22日(日)

 初日は移動日となりました。空港で出発式を行い手荷物を預けて、出国審査へ向かいました。韓国仁川空港までのフライトは約3時間、フライト中は、映画を観たり、英語発表の原稿をチェックするなどそれぞれ有意義に過ごしていたようです。
 仁川空港到着後、ガイドのソさんの案内のもとバスでレストランに移動し夕食となりました。ホテルにチェックインしてからは、翌日の仁川科学芸術英才高等学校(Incheon Academy of Science and Arts : IASA)との研究発表会に向けて、各班発表練習を行いました。

9月23日(日)

 9時に仁川科学芸術英才高等学校(IASA)に到着しました。2泊3日のIASAでの研修が始まりました。

 バスを降りるとすぐIASAの校長先生と先生方に出迎えていただきました。歓迎セレモニーへと移動し、バディの生徒と初対面となりました。IASAからは校長の李先生から挨拶から始まり、本校生徒を代表してSSH2年生の高田君が韓国語でスピーチを行いIASAの生徒から暖かい拍手を受けました。全校を挙げての盛大な歓迎に生徒たちはとても感銘を受けているようでした。

  午後のプログラムでは、韓国の極地研究所の研究員のDr. Park先生が南極での日韓共同の極地研究プロジェクトについて英語で講演をしていただきました。Park先生は北海道大学出身で、南極で隕石を採集するプロジェクトに参加されたそうです。講義は全て英語で行われましたが、所々日本語での質問にも対応していただきました。札幌から高校生が来るということで、喜んでこの特別講演を引き受けてくださったそうです。

  午後のプログラムでは、韓国の極地研究所の研究員のDr. Park先生が南極での日韓共同の極地研究プロジェクトについて英語で講演をしていただきました。Park先生は北海道大学出身で、南極で隕石を採集するプロジェクトに参加されたそうです。講義は全て英語で行われましたが、所々日本語での質問にも対応していただきました。札幌から高校生が来るということで、喜んでこの特別講演を引き受けてくださったそうです。

 講義の次に研究発表会を行いました。SDGsのテーマに従って日大とIASAそれぞれ3チームに分かれ、気候変動や水と衛生問題などについて、研究発表と質疑応答を行いました。IASAからも日大からも積極的に質問が飛び交うとても良い学術交流になりました。

 研究発表の次は情報処理室に移動し、C言語の一つであるPythonを用いたプログラミング入門の授業に参加しました。ペアのIASAの生徒が授業の内容を英語で説明しながら、作業を進めていきました。プログラミングを使えば色々なものを動かしたり、制御したりすることができるということを学ぶことができました。

 午後プログラムの最後に、IASAのSTEAMプロジェクト(Science Technology Engineering Mathematics and Arts)の研究発表を聞きました。STEAMプロジェクトは本校のSSH活動と同様に、生徒自身が自ら課題を設定し、研究を進める活動です。生徒たちは熱心にIASAの発表を聞き、意欲的に質問をしていました。本校SSHからも「おがくずを用いたバイオトイレ」についてのポスター発表を行いました。IASAの生徒がとても熱心に発表を聞き、ポスターを読んでいる姿が印象的でした。

 午後のプログラムが終了し、カフェテリアでバディと夕食を食べて、休憩を取った後に、夜のプログラムに参加しました。夜のプログラムではIASAの天体望遠鏡を使って天体観測を行いました。ベガやアルタイルといった恒星から、土星や木星を観察することができました。高性能な望遠鏡を使用させていただいたので、生徒たちは「土星の輪が綺麗に見えた」「木星の表面の模様が見えた」と声を出して驚いていました。

 休憩を取った後にIASAの生徒とSDGsの大きなパネルを共同で製作しました。コミュニケーションをとる良い機会になっただけではなく、お互いの国を超えてSDGsが提唱する課題に取り組む重要性を再認識するとてもよい機会になりました。 夜の11:30までの長いプログラムをこなし、12:00にようやく就寝時間となりました。朝からとても長い1日でしたが、生徒たちはとても有意義な時間を過ごしたようです。

泊発電所を視察

 2019年10月7日(水)、SSH・科学部1年生3名が泊発電所(北海道古宇郡泊村大字堀株村)を視察しました。視察の目的は、現在取り組んでいる課題研究テーマ「放射性廃棄物の最終処分」に対する理解を深めるためです。泊発電所1号機は平成元年6月、2号機は平成3年4月、3号機は平成21年12月に営業運転を開始しました。現在は、これらの発電所は7年ほど運転を停止しています。職員の方々から、原子力発電の仕組み、原子炉建屋や原子炉格納施設などの主要施設、津波や地震に対する多重・多様な安全対策、核燃料からプルトニウムを取り出す再処理工程、高レベル放射性廃棄物の製造法および処分法などについて詳しく説明して頂きました。原子力発電所は、発電時に地球温暖化の主な原因といわれる二酸化炭素、酸性雨を招く硫黄酸化物や窒素酸化物を出さないなど、環境性に優れています。しかしながら、高レベル放射性廃棄物の最終処分の問題などが残されており、現在、研究が進められています。  今回、泊発電所を視察し、職員の方々と直接お話することで、放射性廃棄物処分法に関する関心および課題研究に取り組む意欲をさらに高めることができました。札幌日大高校 SSH・科学部は、このような遠大で難しい地球規模テーマにも挑戦していきます。

第58回全道高等学校理科研究発表大会に参加

2019年10月12日(土)および13日(日)の2日間にわたって、第58回全道高等学校理科研究発表大会が北海道小樽潮陵高等学校で開催されました。今年度の大会は、参加生徒数554名、参加校61校、研究発表78件、およびポスター発表117件(審査79件、オープン38件)でした。
 本校から科学部1年生14名、2年生13名の計27名が参加し、研究発表5件、ポスター発表11件(審査部門5件、オープン部門6件)を行いました。今年度も道内最多の参加者および発表件数で臨みました。発表テーマおよび結果は、以下の通りです。

口頭発表3件

物理部門 ネオジム磁石を用いた非磁性金属の抵抗率測定法 第3報 [総合賞]
化学部門 ケルセチンの抽出の効率化と実用化 [奨励賞]
地学部門 ネオジム磁石を用いた地磁気の測定 第2報 [総合賞]

ポスター発表審査部門5件

歩幅と歩行速度の関係 第2報 [ポスター賞]
フーリエ変換を用いた倍音成分の比較による音色解析手法の研究 [ポスター賞]
太陽高度と太陽光RGB値の関係 [ポスター賞]
部活動別の指の菌について [ポスター賞]
ゴマシジミの保護を目指して [ポスター賞]

ポスター発表オープン部門6件

街路樹のRGB値測定による気象調査
ネオジム磁石による地磁気の測定
地球を覆う光の膜 大気光
放射性廃棄物の最終処分
メタン発酵消化液の活用法
人工知能による画像認識

 今年度も多くの発表が表彰されました。来年度も、新規テーマを開拓するとともに、継続テーマがさらに深化するように努力を積み重ねていきます。