講義・講演

【中学部】中学3年生いのちの授業を行いました

 令和6年2月21日(水),中学3年生を対象にいのちの授業を行いました。15歳のいのちに贈る 今と未来のためについて、誕生学協会 いのちの授業・誕生学プログラム認定講師、渋谷容子先生を講師としてお招きし、学びました。

 命の始まりの大きさ、命をつなげる力、変わってゆくからだと心について、また自分を守るための意識を育むための知識をスライドやVTRを用いて分かりやすく講演して頂きました。    

 15歳の自分が今考えるべきこと、両親からの愛情を受け取りここまで育てられてきたこと、自分を大切にするために今必要なことを学び、命について、性について、性的マイノリティーに限らず、多様性を認め合い、誰もが自分らしく生きられるということを考える良い機会となり、笑顔あふれる授業となりました。 

 講演後は,両親からの直筆の手紙と保健室から9年間の成長記録が手渡されました。

 

 

1年SGL・MLP『北方領土語り部講演』を行いました

 1年生SGL・MLPの生徒が、内閣府北方対策本部北方領土啓発次世代ラボの講師 鶴田岳也さん(本校卒業生,在校時北方領土サポーターとしてビザなし交流で択捉島を訪問)他2名の講師の方から北方領土問題の歴史等について講義を受け、元島民の方から当時の島の生活や引き揚げた際の様子についてお話を聞きました。

 その後、グループに分かれ、「もし、北方領土が返ってきたならあなたは何をしたいですか?」という問いについて話し合い、発表をしました。生徒にとって、日本を取り巻く情勢について理解を深める機会となりました。

 また、この「北方領土語り部事業」について、北海道新聞に記事が掲載されましたので紹介させていただきます。

 

 

「北方領土語り部事業」について、北海道新聞に記事が掲載されましたので紹介させていただきます。

 北海道新聞の記事はこちら

 北海道新聞社許諾D2401-2501-00027624

 また、1月19日に北海道新聞北広島版にも掲載されていますので紹介させていただきます。

 北海道新聞の記事(北広島版)はこちら

 北海道新聞社許諾D2401-2501-00027663

1月10日教育講演会のお知らせ


『EUがあなたの学校にやってくる』講演会を実施しました。

 11月10日(金)、ディミトリオス・カラミツォス-ジラス駐日ギリシャ共和国大使をお招きし、『EUがあなたの学校にやってくる』講演を開催しました。 EUの成り立ちから、その理念と現状、EU・ギリシャと日本・北海道の関わりに至るまで、詳しくお話してくださいました。今、話題となっているウクライナとギリシャ・EUとの関わりについても触れられており、最新の国際情勢を材料に、生徒たちに現在の世界について考えるヒントをいただきました。

 2時間近くの講演は、知的好奇心を刺激される内容で、生徒は真剣に聞き入り、質疑応答では積極的に質問をしていました。生徒の質問一つ一つに対して笑顔で丁寧に答えてくださるジラス大使の姿がとても印象的でした。たいへん有意義な講演会となりました。

 

 

 

 

 

 

韓国の姉妹校との国際科学交流を実施

 2023年11月1日(水)~3日(金)の3日間、韓国にある本校の姉妹校の仁川科学芸術英才高等学校(IASA)の生徒13名が来校し、SSH選択の生徒たちと科学交流を行いました。

●11月1日(水):1日目

 IASAの生徒たちはこの日の午後に本校に到着しました。本校到着後後すぐに、SS未来創造Ⅰの授業に参加してもらい、1年生SSH選択者60名と科学交流を行いました。この日のSS未来創造Ⅰの授業は、大阪教育大学の仲矢史雄先生をお招きし、「BLACK BOX」の中を探るというワークショップにより、科学研究の手続き(未知な対象へ科学的に合理的にアプローチし、仮説を立て、論証し、研究者間で協議して、もっとも合理的な結論に達する)を体験し、今後の課題研究にフィードバックすることを目的とした授業でした。生徒たちは共通言語である英語を使いながら、また時には日本語、韓国語、身振り手振りを交えながらコミュニケーションをはかり、「BLACK BOX」の内部構造について議論を交わしました。ワークショップのプレゼンテーションでは全て英語で質疑を行い、初めは英語を用いたコミュニケーションに不安そうにしていた生徒もどんどん発言するようになり、科学コミュニケーション力も高めることができました。

放課後は、歓迎会とホームステイ引き渡し式を行い、ホストファミリーと一緒に帰宅し、日本の家庭生活を体験しました。

●11月2日(木):2日目

 IASAとの交流2日目。この日の午前中は、1年IBコースの英語の授業にIASAの生徒たちが全員参加をした後、ホストファミリーとなっている生徒のクラスの授業にも参加して、多くの生徒と授業交流を行いました。また、3時間目は、科学交流として、本校SSHの生徒たちとお互いの課題研究を発表し、英語での質疑を行いましたIASAの生徒たちの積極性や真剣に質疑を行う姿に引っ張られ、本校の生徒も積極的に質疑を行うようになっていきました。

 午後は北海道大学大学院生命科学院転成ソフトマター研究室の黒川孝幸教授を訪ね、ゲルの最新研究について学ぶとともに、研究室の実験機材や実験方法についての説明を受けました。

北大の訪問が淡った後、IASAの生徒たちはバディの生徒たちとともに札幌狸小路周辺を散策しました。

●11月3日(金):3日目

 IASAとの交流3日目。この日IASAの生徒たちはバディの生徒たちとともに野幌にある北海道開拓の村を訪れ、北海道の歴史を学んでもらいました。その後、新札幌駅周辺を散策し、見送りとなりました。わずか3日間でしたが、本校の生徒たちは英語を共通言語として科学だけでなくさまざまな分野で関わりを持ち、IASAの生徒たちと互いに打ち解けることができました。この経験から多くの生徒たちが英語を用いることに抵抗感がなくなったのが顕著になりました。

来月は本校の生徒たちが仁川を訪れ、IASAで再び科学交流を行う予定です。

【高校部】SGLの授業で特別講演会を実施しました

 高校2年生SGLの授業において、ゲストの講師をお招きして、「グローバルに考え、ローカルに働く」をテーマに、4回連続シリーズの講演会を実施しています。

9月11日 伊藤哲也氏(編集者兼ライター)「地域史を編むという仕事」
 雑誌の編集長などを務めた経験を踏まえ、積極的に異文化に触れ、それを吸収することで、自分自身の属する文化を相対化して考えることができるようになることの重要性を伝えて下さいました。講演の最後には、そうした異なる価値観を知る機会となる十冊程度の書籍を紹介していただき、その本が書かれた裏話などもお話しいただきました。生徒たちにとって非常に興味深く貴重な機会となりました。

9月25日 井上美香氏(フリーライター)「人生を楽しもうー『知る』ことと、物語を『発見』すること」
 北海道における女性ライターの草分けとも言える方の半生を伺い、また当別町史編纂に関わり、戦争中にも関わらず、廃棄命令を無視して保存された敵国アメリカからの青い目の人形や、終戦間際に描かれたのどかな風景は、戦時体制の援農作業を描いた絵であった話、ローカルとグローバルが交わった話など、興味深く生徒たちは聞いていました。生徒たちには、「好き」なことを見つけ、それを掘り下げていくことの重要性を伝えていただきました。


10月2日 宮司正毅氏(元当別町長・株式会社tobe代表取締役) 「北海道におけるGlocalization」

 三菱商事時代の話など、グローバルに働いてきた半生を興味深くお話しをされていました。グローバルに働く上で知っておくべきカントリーリスク、しかし、危機を回避するという視点のみだけではなく、プロジェクトを成功させるためには、「現在の世界の情報をしっかりと知っておくことが重要で、グローバルな動きを認知した上で、自身のプロジェクトの特色・特性を活かしたものを作り出さなければならない」との話があり、当別町長時代の、「グローバルに考え、ローカルに働く」具体的な事例などを交えながら、生徒たちは熱心に学んでいました。

 各講師の方々には、生徒からロイロノートで寄せられた質問に、一つ一つ丁寧に答えていただきました。高校生の素朴な質問にも、真剣に、そして若者に向けた将来へのメッセージを込めて対応していただき、生徒が自分の将来を想像するとても良い機会になりました。

 次回は、13歳の時に満州から家族と共に引き上げを経験した大島眞里子氏をお招きして、「グローバルに生きざるをえなかった私たち」をテーマに講演会を実施する予定です。

 

 

動物倫理と福祉に関する講演会を実施しました

 9月25日(月)SSHとMLPを選択している高校2年生を対象に本校NLinkにて標記の講演会が開催されました。
 この講演会は、他分野の研究グループが医療・科学のテーマで互いに交流するとともに、専門の研究者の講演を聞く中で生きた知識を習得することを目的に開催されています。講演会の前に、研究倫理をAPRINで学び、さらに動物実験の必要性についての肯定的否定的両面の意見と家畜動物の福祉に関する新聞記事を読んで参加しました。

 はじめにアイスブレイクとして自己紹介と研究テーマ紹介を行い、実験用の豚の飼育現場の動画を見て何を、なぜ行っているかについてディスカッションを行いました。そして東北大学大学院医学系研究科・医学部名誉教授である笠井憲雪先生から、➀動物事件の目的、②動物実験に対する考え方、③動物実験の再現性~適切な実験のために~、④動物実験で配慮すること~痛みの軽減~、⑤コンプライアンスの遵守について講演いただきました。

 次いで北海道大学大学院医学研究院附属動物実験施設助教であられます土佐紀子先生から北大の動物実験施設での動物の管理方法やラットやマウス、マーモセットの飼育状況や動物の特性を生かした環境エンリッチメントについてお話しいただきました。

生徒の感想(一部略)

 今回の講演会で最も印象に残ったのは、動物実験で得られたデータを主に人間へ外挿するというところで、その外挿の段階で誤ってしまうと薬害などにつながるということ、また科学には単純な系の中で厳密な条件が設定されるのに対し、動物実験は複雑な系で曖昧な条件であるということによる再現性の低さがあるということです。動物実験への反対の意見として、いくら動物実験をしても薬害はなくならないというものがありましたが、薬害が起こってしまうのは動物実験の過程で条件を絞りすぎている、もしくはうまく対象を導く実験となっていないこと、また外挿の時点における人への適用のところでミスリーディングがあるのかなと思いました。

 この外挿というのは数学でいう関数に似ていて、その定義を誤ってしまうと目的とは別の結果が出力されてしまうのに加えて、こういう動物への適用では健康や命に直接関わるような望んでいない出力が生まれてしまうことに恐怖を覚えると同時に、この外挿という考え方の汎用性を感じました。外挿とは、人間に直接手を加えるのではなく動物として置き換えて実験することであり、そこから目的のデータを得るという物だと思います。それに対して、AIは人工知能というように、人間に近い近似的なモデルを強化学習に近い形でつくることで、人間の思考のプロセスをそこから得ることができる実験方法の一つなのではないかと思いました。

 (中略)大切なのは実験動物などの様々な犠牲の上で、今の人間の生活が成り立っているということに感謝の気持ちを持ちながら、日々「人間」として生きていくことだと思いました。 最後になりますが、今回の講演会は色々な考えを巡らせるきっかけとなるようなトピックが多く、とても楽しみながら聴かせていただきました。こうした機会を用意してくださり、ありがとうございました。

 

 

【中学部】高校部進学説明会を行いました

 2023年9月16日(土)、中学3年生の高校部進学説明会が開催され、保護者の皆様も多数出席されました。今後の高校部進学にむけての手順・心構えを中心に、教頭先生・副校長先生から説明があり、生徒・保護者とも真剣に聞き入っていました。

 特に、これからの世界で求められる学力と、近年の大学入試改革の大きな変化について触れられた場面が肝要です。高校では、一貫コースならではの先取りカリキュラムを生かすとともに、積極的に自分を成長させる機会をつくっていくことが大切だと強調されました。

 また、先取りで受験している高1進研模試(7月)の結果をもとに、模試の活用の仕方や明確な目標を持つことの大切さなど、今後の学習で意識してほしいことについても具体的に説明を受けました。今回の説明会を、それぞれが高校部進学に向けて準備を進め、高校生としての意識を持つきっかけにしましょう。

 

 

第2回SNU教育研究会を実施しました。

 9月14日に第2回SNU教育研究会を実施しました。この会は,本校の教育研修の一環として昨年度から取り組んでいる公開型の研究会です。今年度の研修テーマを「生徒も教師も協働する“学びの共同体”」とし,これまでに夏期研修として「授業デザイン」に関する集合型研修,9月からは研究授業週間を行って参りました。今回は,その1つの集大成として「公開授業」「研究協議」,そして「教育講演会」を行いました。

 公開授業では,夏期研修で作成した授業デザインを基本としながらさまざまに工夫された授業が全校一斉に展開され,教員間で相互に授業を参観し合いました。「学びの共同体」を意識した4人1組でのグループワークを行う授業,資料や実験・観察を起点に問いを見出しグループ内で対話しながら学びを深める授業,大学入試問題をグループで協力しながら解く授業,ゲームや遊びの要素(ゲーミフィケーション/プレイフルラーニング)を取り入れた挑戦的な授業など多様なアイディアが見られ,参観した教員や来校者からは「このアイディアは持ち帰って自分の授業に生かしたい」という声も多数聴かれました。

 午後の研究協議では,「教師の指導」ではなく「生徒の変容」に焦点を当て,実際に行われた授業の動画をいくつか視聴して協議を行いました。このような形での研究協議は新鮮で,授業を観察する際の新たな視点を得ることができましたが,やはり実際の授業の様子を目の当たりにしたわけではないため限界もありました。来年度については,また新たな方法での研究協議を工夫していきたいと考えております。

 午後の後半には,東京大学名誉教授・北京師範大学客員教授の佐藤学先生に講演をお願いしました。佐藤先生には午前中の公開授業もご覧になっていただいており,まずはそこから見出された本校の現状と課題に関するいくつかの提案をいただきました。そこでご指摘いただいたことは,次の点です。

≪現状と課題≫

●探究中心の授業改革,IBカリキュラムの取組が一定の成果をあげている。ただし,このままでは限界もある。

●生徒の学びが受動的(学びの偽装)である。原因は授業スタイルが50年前のスタイルであり,授業における「教師主体の指導」と「生徒主体の学び」のバランスが悪い(およそ「教師10:生徒2」程度)。

≪提案≫

●現状「教師10:生徒2」になっている授業を,「教師3:生徒12」に転換する。

●現在の大学入試状況(共通テスト・二次試験含む)に合致する授業・学びのスタイルに転換する。

●習熟度別指導を廃止する(全国的には縮小傾向で,中学ではほぼ全廃されている)。

●以上を含め.来年4月から「21世紀型の授業と学び」へ全校一斉に改革を開始する。

 これらのご指摘には,勤務する立場としては耳の痛い話もありましたが,講演の中では上記の指摘の根拠となる資料やデータを多数お示しいただき,なぜ改革が必要なのか,そのために何をすべきなのかが明確になりました。実際に行動を開始していくには,各教科や部署でさまざまな検討が必要になりますので,来年までの半年間で,教員一丸となって準備を進めていこうと決意を新たにすることができました。

 また,当日は全道各地から20名を超える教育関係者の方にご訪問いただき,多くのご意見,ご指導を賜りました。お忙しいところお運びいただき,誠にありがとうございました。教育を担う者どうし,今後とも交流・共創していけたら幸甚に存じます。引き続きよろしくお願い申し上げます。

 

 

日本植物学会に参加

 2023年9月9日(土)、北海道大学工学部において行われた「日本植物学会第87回大会」に本校科学部が参加しました。日本植物学会では大会期間中に、課題研究発表の場を高校生にも開いてくれており、この日は全国から多くの高校生が参加し、26テーマの研究発表が行われました。本校からは次の3テーマの研究発表を行いました。

・「大豆イソフラボンと光の関係」渡辺好(2-11)

・「厚別南緑地の豊かさ評価Ⅱ」鈴木晃司(2-7)他8名

(小田紗枝里、佐藤沙雪、中谷惠満、廣岡佑亮、八幡涼平、澤田瑛、稲垣賢人、長谷川耀紀)

・「おがくずを用いたバイオトイレ内に存在する細菌の分析」越香月(2-7)他5名

(浮穴真羽、八幡涼平、雄谷ここね、宮澤羽瑠)

 全国から参加した高校生の他、学会に参加していた大学院生や大学の先生方もポスター発表を真剣に聞いてくださり、発表後は活発な質疑応答が行われていました。特に大学の先生方からは、発表した生徒たちに、研究を行う際に改善した方が良い点などのアドバイスがなされていました。

 また本校生徒たちは発表の合間に、他校の発表を聞きに行き、質問をしたりする様子も見られました。今回の学会発表では多くの気づきがありましたので、生徒たちは今回の発表会の経験を今後の研究活動に生かせるように頑張ってほしいと思います。