実験・実習・授業

韓国の姉妹校との国際科学交流を実施

 2023年11月1日(水)~3日(金)の3日間、韓国にある本校の姉妹校の仁川科学芸術英才高等学校(IASA)の生徒13名が来校し、SSH選択の生徒たちと科学交流を行いました。

●11月1日(水):1日目

 IASAの生徒たちはこの日の午後に本校に到着しました。本校到着後後すぐに、SS未来創造Ⅰの授業に参加してもらい、1年生SSH選択者60名と科学交流を行いました。この日のSS未来創造Ⅰの授業は、大阪教育大学の仲矢史雄先生をお招きし、「BLACK BOX」の中を探るというワークショップにより、科学研究の手続き(未知な対象へ科学的に合理的にアプローチし、仮説を立て、論証し、研究者間で協議して、もっとも合理的な結論に達する)を体験し、今後の課題研究にフィードバックすることを目的とした授業でした。生徒たちは共通言語である英語を使いながら、また時には日本語、韓国語、身振り手振りを交えながらコミュニケーションをはかり、「BLACK BOX」の内部構造について議論を交わしました。ワークショップのプレゼンテーションでは全て英語で質疑を行い、初めは英語を用いたコミュニケーションに不安そうにしていた生徒もどんどん発言するようになり、科学コミュニケーション力も高めることができました。

放課後は、歓迎会とホームステイ引き渡し式を行い、ホストファミリーと一緒に帰宅し、日本の家庭生活を体験しました。

●11月2日(木):2日目

 IASAとの交流2日目。この日の午前中は、1年IBコースの英語の授業にIASAの生徒たちが全員参加をした後、ホストファミリーとなっている生徒のクラスの授業にも参加して、多くの生徒と授業交流を行いました。また、3時間目は、科学交流として、本校SSHの生徒たちとお互いの課題研究を発表し、英語での質疑を行いましたIASAの生徒たちの積極性や真剣に質疑を行う姿に引っ張られ、本校の生徒も積極的に質疑を行うようになっていきました。

 午後は北海道大学大学院生命科学院転成ソフトマター研究室の黒川孝幸教授を訪ね、ゲルの最新研究について学ぶとともに、研究室の実験機材や実験方法についての説明を受けました。

北大の訪問が淡った後、IASAの生徒たちはバディの生徒たちとともに札幌狸小路周辺を散策しました。

●11月3日(金):3日目

 IASAとの交流3日目。この日IASAの生徒たちはバディの生徒たちとともに野幌にある北海道開拓の村を訪れ、北海道の歴史を学んでもらいました。その後、新札幌駅周辺を散策し、見送りとなりました。わずか3日間でしたが、本校の生徒たちは英語を共通言語として科学だけでなくさまざまな分野で関わりを持ち、IASAの生徒たちと互いに打ち解けることができました。この経験から多くの生徒たちが英語を用いることに抵抗感がなくなったのが顕著になりました。

来月は本校の生徒たちが仁川を訪れ、IASAで再び科学交流を行う予定です。

ST未来創造Ⅱ「日大豆(にちだいず)プロジェクト」いよいよ収穫

 牛肉1Kgを得るためにはおよそ草10Kg、水20,000Lを必要とします。また牛のゲップに含まれるメタンガスが高い温室効果を示すなど、今後迫ってくる食糧問題は地球規模で解決していかなければ難題が多く含まれています。そこで本校では、北海道が適作地である大豆を栽培して、収穫した大豆から豆腐をつくり、さらにそれを凍らせて人工肉をつくる「日大豆(にちだいず)プロジェクト」を行っています。このプロジェクトは、本校の学校設定科目「ST未来創造Ⅱ」の履修者約200名全員が取り組んでいます。3か月前、校内に設けた圃場に播種した大豆が豊かに実り、収穫の時期を迎えました。

 生徒は施肥条件などを変えて育てた株を収穫し、作物丈、さやや豆、根粒菌の数などを測定し、記録しました。今後はこの収穫した大豆から豆乳を絞り、凝固させて豆腐を作ります。

SSH地学フィールドワークを実施

2023年9月23日(土)、SSH地学フィールドワークを行いました。この地学フィールドワークは、本校の土台となっている野幌丘陵のなりたちと支笏火山の活動史を実際の地層等を観察しながら探究的に学ぶものです。

 最初に立ち寄った北海道博物館では、私たちが住んでいる場所にどうしてキタヒロシマカイギュウが棲んでいたのか、西の里の丘陵地帯はどのようにしてできたのかなどの「問い」を得ることができました。

 その後、西の里砂採取場のクロスラミナや砂の観察、島松沢採石場跡での島松軟石及び火山灰層の観察、美々貝塚の露頭観察、苫小牧美沢の火山灰層の観察を行いながら、北海道博物館で見いだした「問い」をじっくりと観察事実と関連させながら考察し、4万年前から現在に至るまでの地域の地形の生い立ちを学んできました。西の里砂採取場では雨にあたり少々寒い思いをしましたが、それ以外のところでは、ちょうどよい気温の中で、充実した研修を行うことができました。

【中学部】科学の甲子園ジュニア北海道大会一次選考を通過しました

 科学の甲子園ジュニア北海道大会において、本校から参加していた2チームが、一次選考を見事に通過しました。8月28日に一次選考が行われ、参加77チーム中、本校のチームが1位、2位というすばらしい結果です。「科学の甲子園ジュニア」は、国立研究開発法人 科学技術振興機構(JST)が主催し、各都道府県教育委員会が共催、文部科学省が後援するものです。

 今回が第11回大会となり、科学の楽しさおもしろさを知り、科学を学ぶことの大切さを実感することを主な目的として開催されています。二次選考は、9/30に札幌市生涯学習総合センター「ちえりあ」で行われます。ぜひ二次選考も上位入賞目指して頑張ってほしいと思います。

日本植物学会に参加

 2023年9月9日(土)、北海道大学工学部において行われた「日本植物学会第87回大会」に本校科学部が参加しました。日本植物学会では大会期間中に、課題研究発表の場を高校生にも開いてくれており、この日は全国から多くの高校生が参加し、26テーマの研究発表が行われました。本校からは次の3テーマの研究発表を行いました。

・「大豆イソフラボンと光の関係」渡辺好(2-11)

・「厚別南緑地の豊かさ評価Ⅱ」鈴木晃司(2-7)他8名

(小田紗枝里、佐藤沙雪、中谷惠満、廣岡佑亮、八幡涼平、澤田瑛、稲垣賢人、長谷川耀紀)

・「おがくずを用いたバイオトイレ内に存在する細菌の分析」越香月(2-7)他5名

(浮穴真羽、八幡涼平、雄谷ここね、宮澤羽瑠)

 全国から参加した高校生の他、学会に参加していた大学院生や大学の先生方もポスター発表を真剣に聞いてくださり、発表後は活発な質疑応答が行われていました。特に大学の先生方からは、発表した生徒たちに、研究を行う際に改善した方が良い点などのアドバイスがなされていました。

 また本校生徒たちは発表の合間に、他校の発表を聞きに行き、質問をしたりする様子も見られました。今回の学会発表では多くの気づきがありましたので、生徒たちは今回の発表会の経験を今後の研究活動に生かせるように頑張ってほしいと思います。

前期Nichidai-Link Conferenceが行われました。

 2023年8月24日(木)に前期Nichidai-Link Conference(課題研究・探究学習合同発表交流会)が行われました。この行事は,「中学課題研究」「SSH」「SGH」「国際バカロレア(IB)」「総合的な探究の時間」それぞれのプログラムで実施している探究活動の成果を,「全学年全コース全プログラム合同」で発表し合うものです。各プログラムの内容を学年・コースを超えて発表・共有することで相互交流を深め,学園全体の「知」を結集・研鑽していくことを目的に,令和4年度には当時の高校1・2年生(現高校2・3年生)を対象に第1回を実施しました。第2回となる今回は,初めて中学1年生から高校3年生までの全校生徒を対象に実施しました。

 生徒たちは午前に交流会,午後に各HRクラスに戻って、省察(ふり返り)の会を行いました。交流会では,在校生約1400名が両校舎をまたいで41教室に分かれ,教室内で6人ずつの小グループを組んで交流を行いました。ランダムに組まれたグループですので初めて話をするメンバーがほとんどです。最初は教室全体に緊張感が走りますが,年長者側である高校生がうまくリードして,和やかな対話の場を作ることができていました。社会に出て行けば,普段の“仲良しグループ”ではなく異なる年齢や背景をもっている人たちと新たな関係を構築し,協働していくことが求められます。今回は1日のみの交流とはいえ,多くの生徒たちがお互いを尊重し合いながら対話を深めている様子を見て,本校生徒の頼もしさやたくましさを実感することができました。

また,当日は近隣高校をはじめ多数の教育関係者のみなさまが来校され,貴重なご意見を伺うことができました。お運びいただいたみなさま,ありがとうございました。

SSH課題研究英語発表会を実施

 先日、SSH課題研究英語発表会を本校の探究ホールN Link で実施しました。この発表会はSSH最後の課題研究発表会で、北海道大学の大学院留学生22名を招聘し、前半はポスター発表、後半は、代表による口頭発表を行いました。初めての試みでしたので、前半のポスター発表では、初めは原稿を読みながらの発表が多かったですが、3回目になると聴衆を見ながら発表する姿が目に付くようになりました。

 後半の口頭発表は、難しい研究を分かりやすく堂々と発表し、留学生からの質問にも頑張って答えていました。1,2年生も先輩の発表を聞き、大きな刺激を受けたようでした。なかなかできない有意義な発表会となりました。

SSH生徒研究発表会に参加

 2023年8月9日(水)、10日(木)の2日間、神戸国際展示場においてSSHの全国大会にあたる SSH生徒研究発表会が行われました。本校からは、「カシューナッツ殻液(CNSL)添加によるメタン発生の抑制~ななつぼし育成過程における効果~」というタイトルで麓おのはさん(3年7組)が研究発表(ポスター発表)を行いました。

 麓さんの研究テーマは稲作という我々日本人にとって身近な興味を引くテーマということもあり、多くの参加者が発表を聞いてくださいました。審査員の先生からは、精力的に稲を栽培しデータを取得した努力について、労いの言葉をいただきました。

 また今回は全国レベルの研究を学ぶ目的で大八木啓翔君と渡辺好さん(ともに2年11組)が、帯同しました。2年生2名は、各発表を精力的に見て回り、他校の研究発表の内容や研究に向かう姿勢に刺激を受けるとともに、ラズベリーパイを活用した気象観測装置の作製の仕方などについて熱心に質問をし、他のSSH校の生徒たちと継続的に交流できる関係を築くなど、大変有意義な2日間を過ごしました。

サイエンスツアーⅠを実施しました

 2023年8月3日(木)~4日(金)にサイエンスツアーⅠとして1年生SSH生徒が苫小牧・室蘭の大学及び研究施設を訪問しました。サイエンスツアーⅠは、今後、始まる課題研究の内容をより深めるため、最先端の研究を行っている先生方から研究内容について、研究を行う際の心構えなどについて講義を受け、実験・実習を行うことで自分の課題研究テーマの設定の参考とすることを目的としています。

 

 

 

 

 

 

 

 

<室蘭工業大学>

 通常の触媒と光触媒の違い、光触媒の性質や反応、その利用についてなどについて詳しく説明をしてもらいました。その後、自分たちでチタン酸イソプロピルから光触媒を合成し、メチレンブルー(色素)が光触媒によって分解される様子を観察する実験を行いました。また、研究室の実験設備等を見学させていただき、研究を行っていくうえで大切なことなどについて理解を深めることができました。

<北海道大学北方生物圏フィールド科学センター水圏ステーション室蘭臨海実験所>

 「海藻類の一生の理解と環境DNAの利用について」の題で講義を受けました。海藻とはどのような生物かということから海藻に含まれる光合成色素についてなど様々な話をして頂きました。後半は、TLCによる光合成色素の分離、環境DNAから海藻DNAを増幅させる実験を行ないました。海藻に含まれる光合成色素の分離方法・環境DNAとは何かを理解し、そこから何がわかるかなど海洋研究についての理解を深めることができました。

<北海道大学北方生物圏フィールド科学センター苫小牧研究林>

 苫小牧研究林がどのようにでき、どのような特徴がある森林なのかを詳しく説明してもらいました。地面に生息している昆虫のモニタリング調査方法や採取方法、苫小牧研究林特有の野ネズミの調査についてなど実際に行っている実験方法を体験することができました。また、森林内の川に生息している魚類の調査方法や川の生態系と森の生態系の関係を調べる実験についてなど多くの研究について説明していただきました。モニタリング調査からは動物などの増加パターンなどを見つけることができますが、どのような原因かはわからないため、仮説をたて意図的に環境を変え検証実験を行うことなど実験の手法について学ぶことができた有意義な研修となりました。

SSH生徒が北海道大学でディスカッションを行いました

 2023年6月19日(月),SS未来創造Ⅱ(SS重点選択2年生)58名が北海道大学大学院工学研究院を訪問し,課題研究の中間時点の発表およびディスカッションを行いました。当日は,2学年の研究数と同じ数の32名の大学院生(M1,M2)に集まっていただき,各研究グループに1名の大学院生が担当してもらいました。25分間の中で発表とディスカッションを3回、3人の大学院生に対して行いました。大学院生からは「この実験回数を増やしてみては~」「乾燥時間を湿度変化としてグラフを書いてみては~」「スライドの見せ方は~」など多数のアドバイスをいただきました。研究が深まっていくことはもちろんのこと,数年先に目指していく研究者の姿が生徒たちの目には深く焼き付いたイベントとなりました。

 なお、この企画は,本校が伸長を目指す「未来創造力」における資質能力「複眼的に情報を集め理解する力」「体験し省察する力」「現象を分析し本質的な問いを見出す力」の伸長を目指して実施されています。また,発表およびディスカッションスキルの向上も同時に目指しています。今後の課題研究がより深いものになっていくことが大きく期待されます。