■SSH通信 特集号vol.12 ※PDFファイルが開きます。
地球規模の課題を独自の連携によって解決に迫り、新たな価値を創造する人材の育成
高度な科学的視点から常識にとらわれずに本質に迫り、新たな価値を創造する人
デザイン的思考力・コラボレーション力・課題解決力
科学的好奇心を醸成し地域特有課題の発見・解決を導き世界に貢献する科学者育成
科学的な見方・考え方を身につけ、自分の頭で考え自分の言葉で語れる人
創造力・学びに向かう力・国際性
平成29年6月27日(火)本校体育館にて、株式会社チャレナジー代表取締役の清水敦史先生を講師としてお招きし、全校生徒対象に科学講演会「台風発電でエネルギー革命に挑む~下町風力発電プロジェクト~」を開催しました。
講演の要旨は次のとおりです。
『私は、2011年の福島原発事故をきっかけに、再生可能エネルギーの時代を実現したいと思い、風力発電の研究を始めました。その後、株式会社チャレナジーを起業し、現在は世界初の「垂直軸型マグナス式風力発電機」の実用化にチャレンジしています。
日本は風の強さや向きが不安定で、その上、毎年台風が襲来するため、風力発電機が壊れやすく、風力発電に適していないと言われています。そこで、通常時だけでなく、不安定な風でも、台風でも発電できる風力発電機を開発しようと考えました。
「垂直軸型マグナス式風力発電機」は、プロペラのない風力発電機です。かわりに円筒がついており、風の中で円筒を自転させたときに発生する「マグナス力」により風力発電機全体が回転することで発電します。円筒の自転速度を調整することにより、強風でも暴走することなく発電できます。また、垂直軸風車なので、風向きに合わせる必要もありません。これにより、不安定な風でも、台風でも発電できると考えています。
2016年の夏から、沖縄県で実験を開始し、台風の中での発電にも成功しました。
2020年の東京オリンピックまでに実用化し、世界中で台風やハリケーンを災害からエネルギー源へ変えることを目指しています。』
情熱と使命感に溢れた清水先生のお話に、私達は深く感動し強く心を打たれました。風力発電に関わる普段は絶対聞くことのできない興味深いお話ばかりであり、大変中身の濃い講演会となりました。私達も、チャレナジーの皆さんのように課題に立ち向かい解決していける力を身につけるため、これからも努力を積み重ねていきます。