太平洋津波博物館 見学
平成25年1月9日、太平洋津波博物館を訪問しました。博物館職員の方より、映像資料を用いてハワイ島ヒロの町が過去に二度も大きな津波に襲われたことを聞きました。一度目の津波は際には、警報システムが整っておらず、エイプリルフールとも重なったために人々の避難が遅れてしまい大きな被害になったとのことでした。ヒロの町が二度の大きな津波を経て、どのように復興していったのかを知ることを中心に、日本に住む我々にとって非常に有意義な見学となりました。
イミロア天文学センター 施設見学
ヒロの郊外にあるイミロア天文学センターは、天文学をわかり易くジオラマやビデオなどを使って、展示している天文学に特化した科学館です。特にこのイミロア天文学センターでのハイライトは、プラネタリウムと、日本の国立天文台が寄贈した4D2U(4-Dimensional Digital Universe)シアター。これは、ハワイ島ヒロ市から始まり、ハワイ諸島、地球、太陽系、銀河系、そして宇宙の果てまでを旅しながら、様々な天体の起源について最新のシナリオを紹介するというもので、宇宙の構造がどのようになっているか、そしてその構造がどのようにして形成されてきたかを迫力ある映像で楽しみながら理解することができました。
また、見学にあたりグループに分かれ、ハワイ大学のボランティア学生5名が館内を案内してくれました。プラネタリウム講師のKumiko Usuda氏の解説は大変わかりやすく、将来、科学者を目指す学生にとって大切な心構えや考え方なども話して頂き、生徒たちは感銘を受けていました。
すばる望遠鏡ハワイ観測所山麓施設 見学
国立天文台ハワイ観測所は、1997年ヒロ山麓施設の完成とともに発足しました。山麓施設には、実験室、機械工作室、図書室、計算機室などがあり、120人程度のスタッフが望遠鏡の運用から天文学の研究や次世代の観測装置開発など広範囲の業務に携わっています。標高約4,200メートルのマウナケア山頂での作業は困難と危険を伴うため、望遠鏡から離れてできる作業は、この山麓施設で行われています。
施設到着後、講義室でRamsey Lundock博士から「すばる望遠鏡と観測装置について」、田中壱博士から天文学の授業(すばる望遠鏡の最新成果と最遠の宇宙の様子)を受けました。果てしなく広がる宇宙の壮大さを感じながらも、日本の科学技術レベルの高さを実感できた研修となりました。
マウナケア山 マウナケア・ステートパーク(標高2,000m)での天体観測
ハワイ観測所山麓施設を後に、雨降りの中、バスは目的地のマウナケア山麓にあるマウナケア・ステートパークに向かいました。標高が高くなるにつれ、天候の不安は増していきましたが1,600mを過ぎた頃、突然視界が開け満天の星空が頭上に展開しました。
バスの中で夕食をとった後、全員に防寒用のダウンジャケットが配布され観測開始。レーザービームポインターを使って星を指し、星座の位置関係などを確認した後、4台の天体望遠鏡を使って木星やオリオン大星雲などを観測しました。
流星や人工衛星も確認でき、また日本からは観ることのできない南の星座や、低い位置にある北極星(北緯19度34分)を確認していました。各自が持参した双眼鏡で天の川を観たときは、あちこちから感嘆の声が上がっていました。2時間程度の星空観望でしたが、ハワイで観た美しい星空を心に焼き付けていました。