平成25年4月27日(土)、1年SSHクラスの希望者15名と2年SSHクラスの希望者8名、及び科学部生徒2名でフィールドワーク(生物)を実施しました。
この活動は、ゴマシジミという蝶とそこに共生する昆虫・植物の生態を知る事を主な目的として、昨年からはじめ、今回で第三回目になります。
今回は、新1年生に対してフィールドワークや生物採取の基礎的な知識を知ってもらうと同時に、科学部の研究発表や課題研究のテーマ設定の一助になるような実施を計画しました。
当日は、小雨の降る悪天候の中でしたが、玉川大学坂本先生や「北広島森の倶楽部」の皆さんと共に、アリ捕獲のため植木鉢トラップを設置、またクシケアリの巣を掘りゴマシジミ幼虫や女王アリ捕獲を行いました。
残念ながら、今回はゴマシジミ幼虫や女王アリ捕獲にはいたりませんでしたが、生徒達は身近にありながらも、よくわかっていない小さな生き物の生態を知り、目を輝かせていました。
その後、約2時間のフィールドでの学習を終え、本校で玉川大学の坂本先生より「ゴマシジミ類の不思議な暮らし-アリと共に生きる-」講義をいただきました。ゴマシジミの幼虫はワレモコウ類の花穂を食べ、秋になるとアリの巣に運び込まれて、巣内のアリの幼虫を食べ、翌年8月に巣穴を出て成虫になるという特殊な生活史を持っています。その不思議な生態について、生徒達はナガボノシロワレモコウとゴマシジミ、アリの共生関係を知ることで、生徒達は身近な生態系への興味を高めました。
また、2年SSHクラス生徒より昨年度の研究発表・質疑応答、今後の実験計画及び研究の方向性を話し合い生物の保全について考えるきっかけになりました。
ゴマシジミは、レッドリスト2011準絶滅危惧種に指定されている蝶です。今後も採取や生息環境をこわさないよう、貴重なフィールドがある北広島市で独自の研究を進めていきます。