■SSH通信 特集号vol.4 ※PDFファイルが開きます。
地球規模の課題を独自の連携によって解決に迫り、新たな価値を創造する人材の育成
高度な科学的視点から常識にとらわれずに本質に迫り、新たな価値を創造する人
デザイン的思考力・コラボレーション力・課題解決力
科学的好奇心を醸成し地域特有課題の発見・解決を導き世界に貢献する科学者育成
科学的な見方・考え方を身につけ、自分の頭で考え自分の言葉で語れる人
創造力・学びに向かう力・国際性
平成26年7月1日(火)、フィールドワークⅠ(地学・化学)を実施するため担当教員2名が豊羽鉱山を訪れました。
豊羽鉱山株式会社は大正3年創業で本年はちょうど100年目の節目となりますが残念ながら平成18年3月をもって操業を中止しております。
事務所1階会議室にて、若杉社長はじめ4名の担当の方にお会いし、100年の歴史・操業内容を伺いました。豊羽鉱山は日本を代表する鉱山の一つとして、主に銅・亜鉛・鉛・銀・レアメタルとしてのインジウムなどを産出し日本の経済発展に大きく寄与しました。
操業休止後も環境保全の取組みは続けられております。
今回の訪問では生徒が見学可能な坑水(坑内からの湧水)処理施設・設備を中心に見学させていただきました。
朋進坑入口から専用車で斜坑を進み地下-121MLの揚水ポンプ座まで進みました。4基の揚水ポンプで地上の坑水処理場までポンプアップしております。
本山坑水処理場では、原水を中和、沈殿、逆中和のプロセスを経て処理水として放流しております。
今回の視察では、坑道を下降し揚水の現場を確認、途中では鍾乳石・石筍様のものも観察でき、また、採掘していたものと同様の鉱石も転がっており興味深いものがありました。
坑水処理場は、水酸化カルシウム、硫酸などの化学薬品処理やろ過装置、脱水装置など化学工場を思わせる諸設備を見学することができました。
生徒の知的好奇心を喚起し、科学技術立国を支える人材育成に寄与するものと考えています。
お忙しい中、長時間にわたり懇切に対応いただいた豊羽鉱山株式会社の皆様に心から感謝申し上げます。
平成26年6月26日(木)午後、1年SSHクラス生徒31名が北海道大学低温科学研究所の研究室・施設で研修を実施しました。今回の研修は、1941年に北大初の附置研究所として設立された低温科学研究所において、世界で初の人工雪をつくることに成功した中谷宇吉郎博士の足跡をたどり、最先端の研究に触れ、より一層の知的好奇心を喚起する目的で行いました。
古川義純特任教授より、北海道大学の概要・魅力を聞き、宇宙実験(氷の結晶成長)に用いた微小重力環境による氷結晶生成の小型実験装置が置かれた前で講義を受けました。
生徒はグループごとに各研究室や、-20℃の低温実験室・-50℃の超低温保存室で専門的な説明を受けました。-50℃の超低温保存室では、南極大陸の氷床から採取された約70万年前の氷が含まれる長さ約3,000mの「氷コア」が保管されており、その氷を用いて様々な測定・実験が行われています。
雪氷新領域部門・相転移ダイナミクス実験室では、氷の成長過程を分子レベルで捉える原子間力顕微鏡を用いた研究などが行われています。生徒は、その研究について研究員の方々から熱意あふれる説明をいただきました。
また、微小重力下で雪結晶を生成する装置を用いて説明いただいたロシア人研究者に、生徒が英語で質問する場面もありました。普段見ることができない大学の研究室の様子、また最先端の研究に触れ、研究の楽しさや意義をあらためて感じることができ、大きな成果をあげて本研修を終了しました。