平成24年9月21日(金)、国際的に著名な数学者の秋山仁先生をお招きし、中学3年生と高校1年~3年生を対象に「発想の転換で不可能を可能へ」と題して特別講演会を実施しました。


講演の中、秋山先生は自ら考案した手作りの多くの装置(数学教具)を使って説明してくださり、実験という“実際にかたちが見えるもの”を通じて生徒達は興味深く聴講していました。
教具を用いながら、マンホールや車のタイヤの形を『おむすび形』にすることで、環境にも良く安全性も維持でき、数学を応用すれば様々な事ができ便利になることなど、「別の観点から見ることで新しい発見が出来る」ことを学びました。


更に、数学がどのように実社会で応用され役立っているかということや、宇宙からの情報分析への応用、カメラの手ぶれ防止機能への応用など具体例を挙げながら、「相手のウソを見抜き正しく直すマジック」を取り入れて、興味深いお話をされました。また、楕円形の性質が体外衝撃波結石破砕術(ESWL)などに応用されている事の話では、楕円の焦点に置いた風船が破裂するなどの実験も披露してくれました。


秋山先生より、「人生でやりたいこと、目標や志を決めてそれに向かって挑戦し努力を積み重ねれば、才能や実力は後から付いてくるものであること」、「苦手なものに挑戦することにより、新しい世界が開けてくること」、「秋山先生ご自身が高校時代は数学が苦手で、それに挑戦し続けることにより苦手意識を克服し、多くの定理や公理を見出すことが出来たこと」、「本をたくさん読んだり、芸術やスポーツ、人との関わりなど、人間としての裾野を広げることにより、将来の人生のピラミッドの頂点を高くすることが出来る」など、たくさんの励ましのお言葉をいただきました。
講演は、終始和やかで楽しい雰囲気であり、途中ではアコーディオンを演奏しシャンソンも披露してくれて生徒達を魅了する講演会となりました。


講演終了後、懇親の場を設けていただき、「努力をした人が皆成功できるわけではないが、成功した人は皆努力をしている。」という言葉が心に響きました。


Voice
講演後のアンケートから、生徒の声を掲載します。
◆「自分の視野が広がったと感じました。数学のおもしろさや魅力を改めて知ることが出来ました。秋山先生の講演を聴いて、いろいろなことに挑戦できる高校生活が素晴らしいと思いました。様々な秋山先生の発想の転換は、私にとって良い刺激になり、これからの課題研究にも参考にしたいと思います。私も先生のように、努力で自分の道を見つけていきたいです。」
◆「とっても楽しかったです。CDの話やまとめて切った紙の話など、今まで知らなかった話ばかりなので、とても興味深く聞くことが出来ました。今まで平面的に教科書で見てきた図や、ただ覚えるだけに終わっていた公式をつきつめていくと、こういう意味なんだということが分かって良かったです。」
◆「この講演を聴く前までもっていた数学に対しての苦手だと思うこと、面白くないと思うことがなくなり、数学の楽しさを知りたいな、面白そうだなと感じました。」
◆「数学に限らず、ものの見方を変えて新しい視点で見ることが発見につながるという言葉が心に残りました。」
◆「自分は数学が苦手で面白みがないものだと思っていたが、今回の講演で数学というものを実験というかたちで見ることが出来て、自分の中の数学のイメージが大きく変わりました。」