平成27年6月25日(木)~7月9日(木)までに計3回、1年SSHクラス対象に、実験の基礎知識と技術を習得することを目的とし、科学基礎実験を実施しました。この科学基礎実験は、以下の実験テーマで3展開の授業で行われました。
『地球の大きさを測る』では、生徒が歩くごとにGPSの緯度・経度が秒単位で変化し、地球がとても大きく丸いことを実感することができました。また、緯度の変化から地球の半径を導く過程で、地球の大きさを求めた古代ギリシャの先人(エラトステネス)の科学の奥深さに触れ、生徒たちの知的好奇心を喚起することができました。「測定後の計算で有効数字を使うことができ良い経験になった。」など生徒の感想がありました。
また、『顕微鏡で観察物の大きさをはかる』では、微細な物を観察する手順や、実際に観察したものの大きさをミクロメーター(接眼・対物)を用いて測定する方法を学びました。観察した物(今回は自分の髪の毛)の特徴を、どのようにとらえてスケッチするか苦労している生徒もいました。生徒たちは、肉眼で見えないものでも実験の対象となるものが数多く存在する可能性に気付きました
『校舎周辺のアリの分布を調べる』では、札幌市を含む石狩管内に30種類はいると言われるアリを校舎周辺で何種類いるかを調べました。生徒は、学校周辺の環境とそこに住む生物との関係を知る機会になりました。
科学基礎実験スケジュール
【第1クール】 【第2クール】
第1回目:6月25日(木) 第1回目:8月27日(木)
第2回目:7月 2日(木) 第2回目:9月 3日(木)
第3回目:7月 9日(木) 第3回目:9月17日(木)
※第2クールは、別の実験テーマで行います。
【第1クール】
1.地球の大きさを測る(地学分野)
目的①エラトステネスと同様の手法で地球の大きさを測定する。
②エラトステネスの偉大さと科学技術の進歩を理解する。
③地球の大きさを実感するとともに、緯度・経度を理解する。
方法①GPS受信機を用いて、本校グランドにおいて経度の同じ二地点間をおよそ100m移動
し緯度を記録する。
②得られたデータ(緯度差と距離)を用いて、地球の半径を計算で求める。
③各班の結果を比較する。
2.顕微鏡で観察物の大きさをはかる(生物分野)
目的①顕微鏡の正しい使い方を学ぶ。
②ミクロメーターを使って観察物の大きさをはかる。
方法①顕微鏡各部の名称を確認する。また、ミクロメーターで観察物の大きさをはかることの
できる原理を学ぶ。
②自分の髪の毛を観察する。髪の毛の直径を測った後、、観察物である髪の毛の特徴を踏
まえ正確にスケッチする。
3.校舎周辺のアリの分布を調べる(生物分野)
目的①アリの種類と分布から、学校周辺の環境を考える。
②生物調査の手法をつかむ。
方法①ベイト(餌)トラップを仕掛けて、集まってきたアリの種類と数を調べる。
②石の下や樹上、巣を見つけて、そこにいるアリの観察を行う。
③アリの種類とその周辺の環境を観察して関連付ける。